資産形成

個別株投資の手法

2021-11-19

18年間個別株投資を続けて、さまざまな人のやり方や本に書いてある手法を試してきた結果、改めて強く思うことがあります。

個別株投資は

バフェット的な銘柄を半永久的に保有すること。

という結論です。 

バフェット的な銘柄よりもリスクが低くて収益率が高い手法はいくつかあると思います。しかし現業職労働者が投入した労力・時間を考慮すると、バフェットの方法はダントツで効率が良いというのが率直な感想です。

バフェット流投資の基本的な考え方を、私はこう理解しています。

  1. 参入障壁が高く、なくてはならない業界の消費者独占型企業を選ぶ、消費者独占型企業はインフレのときも値上げ可能で、高い利益率を保てる。
  2. 銘柄選びは株価値上がり志向ではなく利回り志向である。

実際にバフェットについて書かれた本を読んで株の保有銘柄を確認すると、インフレのときでも利益率を確保でき、時間とともに配当と元本が雪だるま式に増えてゆく「成長する債券」のような株式を好んでいることがわかります。

たとえば10年国債の金利が5%だったとします。これは10年経っても名目元本は変わりません。100万円の投資なら10年後に償還されても100万円のままです。そのときに10年国債金利がまた5%なら、次の10年の名目収益率も5%のままで投資を継続することになります。

しかしバフェット流は、元本が成長することを期待しているのです。たとえ配当利回りが3%でずっと変わらないとしても、10年後に株価が3倍に成長していれば最初の投資金額に対して配当利回りは9%になります。同じロジックで20年後には27%となります。

これが「成長する債券」のイメージです。

10年で3倍というのは年率にすると11.6%ぐらいの成長になります。3%の配当を出しつつそれを続けることは大変なのですが、業種や国によってそれが可能な場合があるのです。

そしてバフェットはそれ以上の収益を継続的に実現できる企業にしか投資しておらず、だからこそ銘柄選択に徹底的にこだわっているだと思います。

そんな会社は世界に数十社ぐらいしかありません。
この手法は銘柄選択の幅が狭いので、結果として個別銘柄を半永久的に保有することが多くなります。

したがって「バフェットは長期投資で財を成した」と言うのはちょっと正確ではないかもしれません。

なぜなら「個別銘柄の長期保有」と「優れた長期リターン」はともにバフェット流投資の「結果」に過ぎないからです。

バフェット流だと結果として同じ銘柄を長期保有せざるをえませんし、
また長期間の結果を配当込みで評価しないとその威力がわかりません。

しかしそれらに因果関係があると誤解し、
「長期投資をすればどんな手法でも儲かる」と考える人もいるそうです。

単純なバイアンドホールドでも人口が増えているとか、通貨価値がどんどん下がってしまう場合には長期保有で名目的には儲かりますが、そうでない場合に儲かるとは限りません。

しかしそれは日本のように人口減やデフレに苦しまないとわからないかもしれません

そのあたりが、長期投資に対する誤解を生んでいる理由だと思います。

しかしこの手法、私みたいな「単純に割り切れる人」でないと続けるのが難しいです。

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